なぜ現場は「ちゃんと改善しているのに」苦しくなるのか
改善活動をまったくやっていない現場は、ほとんどないと思います。
5Sもやっている。
改善提案も出している。
定例の会議も開いている。
それなのに、なぜか現場は楽にならない。
むしろ、頑張っている人ほど疲れていく。
「ちゃんと改善しているはずなのに、どうしてなんだろう」
中小製造業の現場に関わっていると、
この違和感に何度も出会います。
改善している=うまくいっている、ではない
最初に言っておくと、
改善そのものが悪いわけではありません。
現場で改善が行われていること自体は、
むしろ健全で、前向きなことだと思います。
ただ、いつの間にか
「改善していること」自体が正解になってしまうと、
少しずつ歪みが出てきます。
・改善を出すことが目的になる
・やる人が固定されていく
・改善しない人が悪い空気になる
こうして改善は、
現場を良くするためのものから、
現場を縛るものに変わっていきます。
苦しさの正体は「設計されていない改善」
現場が苦しくなる理由は、
人の能力や意識の問題ではありません。
多くの場合、こんな状態になっています。
- 誰がやるか決まっていない
- やらなくても困らない
- やった人だけが大変
- 評価にも時間にもつながらない
結果として、
「気づく人」「動ける人」「責任感の強い人」に
改善が集中します。
本人は「現場のため」と思って動いている。
でも気づけば、
その人だけが忙しくなり、疲れていく。
これは、やる気の問題ではなく、
改善がどう扱われるかが設計されていなかった
というだけの話です。
「思考設計」という考え方
ここで大事なのは、
いきなり新しい仕組みやルールを作ることではありません。
ツールを入れることでも、
管理を厳しくすることでもない。
その前に、
改善をどう考えるかを置き直す必要があります。
たとえば、
- 改善は「善意」なのか、「仕事」なのか
- 余力でやるものなのか、「役割」なのか
- やったことは、どこに残るのか
こうした前提が曖昧なまま、
改善だけを増やしていくと、
現場は必ず苦しくなります。
だからまず必要なのは、
やり方ではなく、考え方の設計です。
答えを急がなくていい
改善がうまくいかないと、
「自分たちの現場はダメなんじゃないか」
そんなふうに感じてしまうことがあります。
でも、そうではありません。
能力が足りないわけでも、
意識が低いわけでもない。
ただ、改善が
どういう位置づけなのか、
どう扱われるものなのかが
決まっていなかっただけです。
このブログでは、
「どうやるか」よりも前に、
「どう考えるか」を一緒に整理していきます。
答えをすぐに出すための場所ではなく、
考え直すための場所として。
ここが、
現場の思考設計室です。
